第17章 キユノ王国一団
セリシアside
「え…と、これといって変わったことはありませんでした。ただその後も不規則に何回か光ったように思います。」
…不規則にってことは、もしかして。
1回目はデアル、2回目以降はシロナがやった…とか?
私が不規則に送った力をシロナが使ったとすれば、納得がいくし…。
もちろんそうだとは限らないけどね?
「…後は、自然のことですからたまたまかもしれませんが…風向きが変わった気がします。…海の方を見ることは、残念ながらできませんでしたが…。」
…それもそうだ。
むしろルマニアはすごいと思う。
だって普通、自分のことでいっぱいいっぱいだと思う。
なのに気のせいかもしれないとはいえ、風向きまで、覚えてるなんて。
「ありがとうございます、ルマニア。」
キユノ王国は優秀な人材がいるんだね…。
良かった、なんか安心。
…けど、そっか。
デアルは呪術を使ってもここにいない。
呪術でも、どうにもならなかったんだね。
「…セリシア様。」
やっぱり私があの時しっかりしていれば、なんて考え始めた時、セーカさんは声をかけてくる。
そうだ、今は皆様の前。
自分の考えにひたるのは後回しにしないと。
どうせ後悔したってもう遅いんだから…。