第17章 キユノ王国一団
セリシアside
「…すみません。余計なこと言いました。失礼極まりなくて、申し訳ありません。」
馬鹿だな、ホントに。
こんな些細なことにも失礼してしまうんだもん。
「いえ、大丈夫ですよ。…よくわかりますから。」
やっぱり、何かあったのだろう、この人は。
…知りたいと思っちゃうけど、好奇心でそう簡単に知っていいような内容じゃないはずだ。
それに今はそんなことをしてる場合じゃないだろう。
デアルが海に落ちたというなら、取り憑いているアレは何かをしたはずだ。
「デアルが海に落ちた後…何かありませんでしたか?」
魔法を使ったなら光があるはずだ。
…いや、そもそも魔法を使えたならデアルは普通に生きて船に戻っているだろう。
…シロナは、呪術を使って助けようとしたよね…?
「海に落ちた後…ですか?ええと…。」
「あの、よろしいですか?」
セーカさんが思い出そうとする中、声をかけたのはルマニアだった。
「どうぞ、どういたしました?」
「海に落ちた後なのですが…。海の方で光がありました。雷の音はしなかったですし、光ったのは海の方なので、雷ではないですし、デアル様の使う魔法の光とも思えないのですが…。」
「それっ…!…その後は、何も?」
どう考えても、それは呪術を使った時の反応だろう。