第16章 異変…?
セリシアside
「…。」
その試練は乗り切ったのに。
なのになんで、あの時…全てが終わった時笑っていられた人がいないんだろう。
なんでデアルとシロナは此処にいないのだろう。
行方がわからないのだろう。
「…ね、セリシア。手紙の内容のこと覚えてますか?」
「…そりゃ覚えてるけど?」
だって日、全然経ってないからね。
そもそもあんな大切な手紙を忘れるわけがない。
「行方不明って書いてありましたよね。」
「…うん。」
「…死体は見つかってないってことでしょう?」
「…そだね。」
そうだ、うん。
私が思ったことじゃん。
ジャーファルに伝えた覚えはないけど、確かにそんなことを思った。
「あの時…そう考えたでしょ?」
「え…」
なんでわかるの?
だってもしかしたら絶望してたかもしれないじゃん。
死んだって決めつけたかもしれないよ?
「あなたの事なら、誰よりもわかる自信がありますよ、誰よりもね。」
…。
「それ、なかなか恥ずかしいセリフだってわかってる?」
んー、なんて言えばいいかな?
なんか…キザっていうの?
いや、なんか違う気がするけど。
「でも事実ですし。」
少し照れながらそういうジャーファル。
私、この人が彼氏でよかったな。