第16章 異変…？

ジャーファルside


「何故？」

何故ってそんなの決まってるじゃないですか。
でもその内容を、本当のことを伝えることはしない。

「セリシアと居ることが至福の時だからですよ。」

嘘ではない。
むしろ本当のことの一つだ。

「はぁっ！？何言ってんの…！？」

頬を真っ赤に染めて抗議するセリシア。
ふふ、可愛いですね。

「何って、本当のことですよ？」

「〜〜〜！！」

どんどん赤く染まる頬。
…我ながらクサい台詞でしたね…。
本心を隠せてるかはわかりませんけど、そのためならこんな恥ずかしい台詞も言えるのか、自分は…。
知らなくてもいいような事を知った気がしますね？

「こんなことしてないで仕事して！！」

「してますよ。それとも貴方は休憩もさせてくれないのですか？」

「…あ、いや…。うん、ごめん。」

シュンと気落ちする彼女。
…冗談だったのだけど、伝わってない？
そういえば前からシンに「冗談に聞こえない」ってよく言われてましたっけ…。
まあ冗談じゃない時の方が多いですけど。

「でも！！…それならもっと頼ってよ？私一応副政務官だよ？」

「それはそうですけど…。」

貴方は心構えをしておくべきだと思います。
とは言えなかった。
まだ勘違いかもしれないのだ。
例え勘違いでなくても、そんな気分の下がることは知らない方がいいだろうから…。