第15章 手紙
セリシアside
「もう、大丈夫だよ。」
「では、無理はしないでくださいね?」
「とーぜん。」
無理なんかしないよ。
したらジャーファル、多分怒るもん。
…まあ大事にされてることの裏返しってやつなのかもだけどね?
「内容はすごい簡単だよ。上手く処理できなかっただけで。」
ほんと、私って弱いなぁ?
もっと強ければそれなりに上手く処理できたんじゃないかな。
「…デアルが、行方不明なんだって。詳細なんて全然書いてなかったけど、代わりにキユノの者がこの国に来て事情を話すみたい。」
…そうだよ、あの手紙には海路とは書いてない。
国の中で行方不明とは思えないけど…他の国とかならわからなくもない。
死体が見つかったわけじゃないでしょ?
生きてると信じたい。
「…ああ、それとなんか…。私にお願いしたいことがあるとか書いてあった。」
そういえば、そのお願いってなんだろう?
デアルを探すお手伝いとかなら喜んで協力するんだけど?
…でもそれでジャーファルと離れるのはちょっとヤダな。
そう思ってジャーファルをチラ見すれば、どこか思いつめた顔をしているように見えて…。
話をそらさなきゃ、そんな衝動に駆られた。