第15章 手紙
ジャーファルside
「私のことはきにしないで、聞いてくれる?」
そんなこと言われても無理です。
けれど、それを言ったところで彼女なら苦笑して話すだろう。
無理しないでって言ってもきっと無理してないというでしょう?
そう言われては、止める術などわからない。
話すことが辛くないわけがない。
…だってあなたはそこまで強くないから。
「…わかりました。」
それでも私がそう答えたのは、考え直したからです。
セリシアは剣術ならシャルルカンとシンの次くらいに強いでしょう。
魔法の方も、どんどん上達してるときいてます。
…けれど、精神はそんなに強くない。
今までいろいろなことを経験してるから、人より強いのは否定しないけれど。
私が言えた義理ではないかもしれないけどまだ弱いところがある。
だから、これはある意味強くなるための一種の策かもしれないと。
…大分前、いつだったかな。
2人で占い師のところに行った時のことを思い出した。
確か、試練を乗り越えれるかはセリシア次第、といった内容を言っていた気がする。
…離れたくなんかない。
けれど、もしもさっき考えてしまったことが現実に起こるなら…セリシアはもっと精神を強く持つ必要があると思う。
本当なら側でずっと支えてあげたい。
そうすれば彼女の負担も楽になるのに。