第15章 手紙
セリシアside
「私のことは気にしないで、聞いてくれる?」
その願いにジャーファルは少し困ったみたいだった。
答えるまでに間があった。
「…わかりました。」
きっと色々考えたのだろう。
あんまりいい内容だとは思わなかったんじゃないかな。
だから、私が話して辛くなって、っていうのを止めたかったんだと思う。
…けど多分、ジャーファルは私のことを理解してるから。
それに止め方なんてわからないんだろうな。
だから手紙から知るんじゃなくて、私が話すのを聞いてくれるのだろう。
「でも、話すのはもう少し後です。」
…それは言われちゃうか。
ホントは何も考えないで済みそうな今が良かったんだけど。
「ちゃんと考えられる時に話さなくては、途中から苦しくなりますよ。…途中から考えだすのが一番大変ですよ。」
…そっか、やっぱりジャーファルは気遣ってくれるんだね。
確かに一理あるもん。
言葉に甘えて、もう少しだけ休もう。
「…何か飲み物を持って来ましょうか?」
「んにゃ、大丈夫。それよりこの部屋にいて?リラックスしててくれればいいから。」
飲み物とかの配慮も嬉しいけど、それより同じ空間にいて欲しかった。
それが一番支えになる気がした。