第15章 手紙
ジャーファルside
部屋には沈黙が流れていた。
彼女はベッドに横たわったまま。
「…。」
どこにいればいいかわからなかったけれど、彼女1人部屋に置いていくことなんてできなくて。
ベッドの側にいても迷惑な気がして、少し離れたところにある机の側の椅子に座って待つ。
彼女が回復して、ちゃんと考えられるようになるまで。
「…ねえ」
部屋に来てそんなに時間は経っていない。
そんな時に彼女は声をかけてきた。
「もう大丈夫なんですか…?」
純粋に気になったことを聞いてみる。
少し休めば大丈夫というようには見えなかったけれど…。
「多分…ね。」
曖昧に苦笑じみた返事が返ってくる。
…多分ってことは、ちゃんと考えられるまで時間はもう少しかかりそうですね?
「それより、手紙…読んだ?」
それより、で片付けらていいのでしょうか?
体調ってかなり大切だと思うんですが?
「…いえ、まだ読んでませんが…」
読んでないけど、いいものではないことくらいはわかる。
…彼女に聞いてはいけないような気がして、読んでいないというのに抵抗があった。
読んでいないといえば、彼女は言葉で教えようとすると思えたから…。