第15章 手紙
セリシアside
部屋には沈黙が流れていた。
そうさせているのは私のせいでもあるのだけど。
ジャーファルに助けてもらってなんとか自分の部屋に戻ってきた。
けどやっぱ辛くて、ベッドに倒れこんで。
何も考えられなくて、ただぼーっとしてた。
「…。」
でも体調も落ち着いてきて、頭が回ってきたから沈黙が重く感じれる。
まあ手紙の内容が内容だからしょうがないのかな。
…あれ、そういえば。
「…ねえ」
深く考えることのできない頭でジャーファルに呼びかける。
私の位置からは、というかベッドに寝っ転がって天井向いてるから、ジャーファルがどうしているのかを見ることはできない。
でも部屋にいるのは知ってる。
部屋を出た音はしなかったし、気配も感じるからね。
「もう大丈夫なんですか…?」
ほらね。
ちゃんといる。
「多分…ね。」
正直なんとかって感じで万全ではない。
でもそれは今は置いておく。
「それより、手紙…読んだ?」
読んで、とか言いながらすぐ部屋を出ちゃったから読めなかったんじゃないかと思いきく。
「…いえ、まだ読んでませんが…」
後半、どこか言葉を濁す。
…なんとなくわかるよ、濁したのは気遣いでしょ?