第3章 王子来賓
セリシアSIDE
「それでは、今日の大切なことをお知らせいたします。」
軽く仕切りなおすためか、一度咳払いをする。
「本日は昼を過ぎたあたりで、以前にも話した通り、ウィリランデ王国の一行が来賓します。その中には弟王子もいらっしゃいます。」
ウィリランデ王国。
そうか、弟王子がいるってデアルも言ってたな・・・。
でもまさか来るだなんて。
全く知らなかった・・・。
「一行は少なくとも一週間は滞在予定となります。」
一週間、ね・・・。
ないとは思うけど、会ったらいい顔はできないだろうな…。
キユノ王国を亡国にするきっかけを作った国。
それどころかシンドリアにまで侵略を仕掛けた国。
ジャーファルを危険な目に合わせた国王。
その弟王子が関係しようとしなかろうと、国王を止めなかったんだ。
いくらか同罪だって思う。
「・・・では、以上です。他に何かありますか。」
あ、しまった。
後半ちょっと聞き逃した。
・・・しょうがない、あとで聞いとこう。
「それではないようですので、これにて終了いたします。」
そうして解散する。
すると、ピス姉が私のそばに来た。
少し焦ったような顔をして。