第15章 手紙
セリシアside
「手紙、読んでもいいか?」
「はい、もちろん。」
副政務官として見せないわけがない。
そもそも最初に見せてくれたのが奇跡だ。
王様がとは言わないけど、ジャーファルあたりは見そうだったから。
中身の安全性っていうか、もしものために確認しそうじゃん。
「…セリシア、大丈夫ですか?」
側に控えていたジャーファルが聞いてくる。
大丈夫か、ね…。
「ジャーファルも手紙、読んで。」
今はそれしか言えなかった。
心配かけないようにって思って笑みを浮かべてみたけど…大丈夫じゃなかったよね。
だってジャーファル、余計心配そうな顔したもん。
…やっぱ、冷静になんてしてられないよ。
デアルが、行方不明だなんて。
あの夢を見たときから、何かがあったとは思ってた。
でもこうも事実として突きつけられるとやっぱり辛いものがある。
デアルにはシロナが憑いてるはずたから、生死はなんとかなってる…と思いたいけど。
あんな夢を見たらそうは思えない。
そもそもどうしてデアルは行方不明になんてなったの??
移動の際って書いてあるけど、海路でなにかあったってこと?