第15章 手紙
セリシアside
そんな手紙が届いたのはシロナの夢を見た約一カ月後のことだった。
約一カ月、そのことを忘れて過ごすことなんてできなかった。
「あの…これをシンドバッドさんは既に見て…?」
「いや、まだだ。宛名にセリシアの名前があったからな。キユノ王国からだし、一カ月くらい前にデアルがどうだ妖精がなんだって言ってただろ?」
誘拐(?)された後に王宮へ帰り、その次の日に色々と詳細を話した時に夢のことも話したのだ。
(ちなみに起きたのは次の日の夜なんだけど。)
「…でもその様子だと、先に見てから判断した方がよかったようだな。」
なんとも言えない気持ちだった。
でも結局知らされるんだ。
…いつ知っても同じ気がしなくもない。
「いえ、これでよかったんです…きっと。ちゃんと自分の目で、一応ですがキユノ王国の姫として、最初に見れたんで。」
ものすごい一応ながら、姫の身分は持っているのだ。
正直私としては新しいキユノ王国の姫になる気はなかったんだけど、デアルが絶対籍として残すとか言ってて。
…兄の願望とかいわれたし、減るもんじゃないかと思って断れず。
結局姫の身分を持つことになった。