• テキストサイズ

【マギ】幸せを願って。~亡国の姫~

第14章 誘拐


セリシアside


「…それで?まあ予想はついていますが…どうして抜け出したんです?」

説教がようやく終わり、正直ちょっと眠くなってきた時にジャーファルは質問をする。
予想はまあ、そりゃつくよね。
けどね?

「…なんで、だったかな。」

覚えてなかった。
ああ、でもそうだ。

「たしか、じっとしてられなかったんだよ。自分が不甲斐なさすぎて、嫌でしょうがなくて。」

動いていようと動いていまいと何も変わらないのにね。
それだけ動揺してたんだね、私。

「…今は、どう思っていますか?」

この質問には、ちゃんと目を見て答えなくちゃ。
そうするのが一番いい気がして、少し落としていた視線を上げる。

「…デアルとシロナがどうなってるのかは分かんないし、正直心配だよ。自分の不甲斐なさを感じてもいる。…家族がいなくなったことが寂しいんだよ。結局は独りが嫌なんだよ。」

ちょっと泣きそうだったけど、そこまで言うことはできた。
ジャーファルは黙って聞いててくれる。

「…でもね。私独りじゃなかったから。ジャーファルがいるって気付けたもん。だから…大丈夫だよ。全く寂しくないわけじゃないけれど。…帰れるよ、王宮に。」
/ 369ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp