第14章 誘拐
セリシアside
「セリシア!」
「なんで部屋からいなくなったの…!?心配したじゃない!」
王宮へ戻ればすぐにピス姉とヤム姉が現れてそう声をかけてくれた。
正直疲れてて一歩も動けなかったけど、ジャーファルがその…お姫様抱っこしてここまで連れてきてくれた。
いやもう、恥ずかしいのなんの。
…まあそんなこと言ってたら帰れないからしょうがないんだけど。
別に嫌ではないんだけど!
「部屋に行ってみたらあなたはいないしジャーファルさんもいなくなってたし、本当に驚いたのよ?」
「しかも王サマに聞いたらセリシア誘拐されたっていうし!!…でも大丈夫なんだよね?」
「うん、大丈夫。…ジャーファル、ちょっとおろして。」
体力、少しは回復…したわけじゃないけど、ちょっと恥ずかしさが勝つかな。
「…大丈夫じゃないでしょう?ダメです、おろしません。」
「でももう王宮だし「それでここで倒れられても困ります。」」
…ちぇっ!
まあ自業自得ってことか。
しょーがないや、もう。
「…とりあえず、詳しい話は明日以降にした方が良さそうね?」
「だね…。ちゃんと起きてね?」
きっと、前に日をまたいで寝てたからだよね…。
うーん、起きれる…かな?