第14章 誘拐
ジャーファルSIDE
「ひ・・・ひぃ・・・」
「情けねえな。」
何とか起き上ったのか、リーダー格の男が上半身を起こして逃げようとしている。
「・・・いや、あの、その「セリシアはどこにいる?」」
シンを馬鹿にし、セリシアまでも馬鹿にしやがって。
殺してやろうか。
リーダー格の野郎の首元をつかんで持ち上がれば、必死に暴れる。
「答えろ」
答えなければ用無し。
殺す。
「あ、あそこですっっ!!あの小屋にっ!!」
持ち上げたまま、男の指す方向を見る。
・・・小屋なんていくつもあるが。
「どれだ。」
「右です!一番っ!右っ!」
あれか。
手を放し、野郎を捨てたところで小屋に向かう。
・・・ああ、そうだ。
「へっ!?」
もう一度縄鏢を野郎に巻き、そのままぶんなげる。
ガシャンっ、ガチャガチャ・・・。
腹いせにぶんなげると、ちょうど近くにためてあった木材にあたる。
積み上げられていた木材は衝撃で落ち、野郎を直撃する。
死ねば本望、死なねば牢獄行きだ。
しばらくじっと見ていれば、動く影が見えた。
ちっ・・・生きてたか。
「ふぅ・・・。」
でも、腹立ちは収まりましたかね、それなりに。
人をぶんなげるのは、なかなかいいですね。