第14章 誘拐
ジャーファルSIDE
「ああ、やっと見つけましたよ。」
町で聞き込みをしていれば、やはり情報はしっかりあるもので。
セリシアが有名でよかった、とも正直思った。
過去にあの身長だったことがこうも役立つとは。
まあいきなり大きくなれば注目されますよね・・・。
「・・・なんだ、オメー。」
セリシアが町で青年に声をかけられた現場を見ていた人がいて、その人の話からいろいろ探した結果。
なんとかとある場所にたどり着くことができた。
前々からちょっとした悪がたまっていた場所。
・・・そこに、最近変な奴らがのっとってきたらしい。
そんな話は聞いたことがないと思っていたけれど、もともとのやつらも届け出をしたことはなかったらしい。
それなら当然だとも思う・・・と、そうではありませんね。
「この国の政務官、ジャーファルと申しますが。セリシアを返してもらいに来ました。」
淡々と要件を述べる。
目に見えているのは5人。
柄の悪そうなやつらばかりですけど、正直あまり強そうにはみえませんね・・・。
「は?何の話?」
その中の一人がにやにやと笑ってくる。
「何言ってんのー?セリシア?誰それ?」
・・・腹の立つ顔だな。
こんな人たちにセリシアがつかまったとは、正直信じがたいはなしですが。
・・・とりあえず、強行突破でもしましょうか?