第14章 誘拐
セリシアSIDE
気づけばそこは、薄暗いどこか小屋のようなところだった。
どうしてこうなったんだっけ・・・っと。
いきなり目隠しをされたと思えば、声がだせないように口を布でふさがれたんだった。
抵抗する気力がなかったし、もうどうにでもなれって思ってたから流れに任せた。
いつのまにか寝ていたのだろう。
目隠しもはずされ、そばには誰もいない。
ただし手足を拘束されているけど。
「はぁ・・・。」
ジャーファル、怒ってるかな?
黙って出てきたし、しまいには人さらいにあって行方不明だし。
・・・いや、心配なんてしてないかな?
人を救うこともできない半端なガキだし、呆れられてるかも。
・・・これから先、どうしようかな。
手足の拘束は縄でされてるけど、結構がっちりしてるしなあ・・・。
魔法を使うのは、できるだけ避けたかった。
ここで魔法を使って魔力切れを起こせば、確実に死ぬだろう。
応急処置をすることもできない状態だし。
「・・・デアル・・・シロナ・・・。」
もしも生きてるなら、何か合図が欲しい。
夢を通せば、いつでも会えるはずでしょ?
ねえ・・・独りにしないでよ。
・・・寂しいよ・・・。