第14章 誘拐
ジャーファルSIDE
「・・・は?」
二人以外の誰もいない部屋に連れてこられ、そこでシンに黙って紙を渡された。
読んでみろ、と視線が訴えていたため読んだ・・・のだが。
「・・・シン、これはいったい・・・。」
「・・・。」
紙に書かれていた内容。
それは。
セリシアを誘拐した。
無事に返してほしければ以下の要求をのみ、明日までに実行しろ。
というものだった。
要求は武器、食品、金ををある場所にもってこいということだった。
「まさか・・・セリシアは・・・。」
「典型的な誘拐だな。それを持ってきた門番が言うには、門番のところに持ってきた人も別の人から渡されたらしい。」
念のため王宮内に留め置いている、とのことだった。
・・・誘拐なんて、どうやって。
王宮内にそう簡単に入れるわけがない。
それに知らない顔があれば誰かしら気づいたはずだ。
「・・・シンドバッド王。この件は私に任せていただけませんか。」
「・・・どうする気だ?」
「探し出します。」
仕事がどうだ言っている場合ではない。
誘拐と言うことは、町のどこかにいるということだろう。
自分が探せば見つけられるのではないか?
不思議にもそんな感覚がした。
「・・・できるのか、お前に。」
「はい。」