第14章 誘拐
ジャーファルside
「ジャーファル!!」
セリシアの行きそうなあてを探し終え、それでも見つけることができなかった。
そんな時、声をかけられた。
そして振り向いて見れば、そこにいたのはシンだった。
「どうしました?」
セリシアが見つかったのだろうか?
「おい、セリシアはどこにいる。」
焦っているのか、真剣な顔をして聞いてくる。
「それが、いなくなりました。」
嘘を言うわけにはいかなかった。
魔力切れを起こしたことはもちろんシンも知っている。
心配するのは当然でしょう。
「…まさか本当に…。」
「なにかありましたか。」
シンは少しこっちを見てなにか考えたようだったが、すぐに言う。
「…ジャーファル、こっちに来てくれ。めんどくさいことになったかもしれん。」
いつもよりどこか真剣で、嫌でも何か起こったことは分かった。
一体なにが起こったと…??
さっきセリシアのことを聞いていた。
…セリシアに何かあったのでしょうか…?
ありえなくはないのが、怖かった。