第14章 誘拐
ジャーファルside
「セリシアさん…ですか??」
門番に話を聞きに門に来たところ、門番たちは顔を見合わせた。
どちらも困った顔をして、申し訳なさそうに言った。
「すいません、ジャーファルさま。」
「私共は見ておりません。」
しかしそれを聞いて安心をした。
それならば、王宮を出てはいないだろう。
「わかりました。では彼女を見つけたら保護してもらえますか?外には出さないでください。」
「「わかりました。」」
これで彼女は外に出られないはず。
捕まえるのも時間の問題だろう…。
「…しかし、どこに??」
執務室に来ているとは思えない。
すれ違いになった可能性もなくはないですが。
…彼女の部屋、執務室、ヤムライハとピスティのところ、それから…。
思い浮かぶところ全てあたるしかなさそうですね。
まさかとは思いますが、一応剣技場も見ておきますか…。
…そういえば、彼女は今日の明け方…どうやって外に出たのだろうか?
その時も門番はいたはずですし。
…魔法…。
まさか。
いやいや、そんなはずないだろう。
明け方はともかく、今回も魔法を使ったのでは?
そう思った自分の考えを否定する。
いくらなんでも、魔力切れを起こした日に魔法は使わないだろう…??