第13章 妖精の見せる夢の意味
セリシアside
「そうですね…。もしデアルさんやシロナさんが死んだら、助けられなかった責任はあなたにもあるでしょうね。夢とはいえ知っていたなら。」
ジャーファルは現実を突きつけてくる。
それは正しいことだし、私もそう思う。
だからつらい。
わかってるけど、つらい…。
「…そう、責められたいのですか?」
「え…。」
そのまま責められると思ってた。
なのに続いた言葉は全然そんなものじゃなくて。
驚いた。
俯いていた顔も、自然と上がった。
「よく聞きなさい、セリシア。あなたは、自分ならデアルさんやシロナさんを助けられた、そう思っている。だから助けられなかったことがつらいのでしょう。」
ジャーファルは立って、私を見下ろして、真剣な目でそう言う。
その顔は、怒りとも悲しみともとれる…よくわからない表情をしていた。
「でも2人のいう通り、私達は助けるための行動を起こすことすらできていない。だから途中までしかできなかったとはいえ、行動したあなたを責めることはできない。」
「…でも、みんなは知らなかった。今私が言ったけど、でももう時間だって立ち過ぎてる。あの時知ってたのは私だけだよ!」