第13章 妖精の見せる夢の意味
セリシアside
「ええ、確かに私達は知らなかった。けれど知っていたところで、助け方がわからないのなら、何もできなかった。」
「…それは仕方がないよ。でも、私は知ってたのに。それなのに、何も…「 しっかりしなさい!」…え。」
怒鳴られた。
初めて、ジャーファルに怒鳴られた。
「そもそもあなたが倒れなかったところで、デアルさんやシロナさんが助けられたとは限りません。…あなたは。無駄に、変に責任を感じ過ぎてるんです。」
…私でも、倒れなくても助けられなかった。
その可能性は充分にある。
それは、時間のたった今となってはもうわからない。
「誰にも責められないから自分で責める。責めることができないからあなたは必要以上に自分を責めてる。…違いませんか?」
それは…。
全く違うとは、言えなかった。
みんなに責められなくても、私は自分を許せない。
自分を責めるしか、できない。
「…そんなことしなくていいんです。それに助けられなかったかどうかもまだわからないでしょう?…せめて、わかるまでは責めるのはやめなさい。あなたを責める資格は誰も持ってない。だから、自分で責めるのも後にしなさい。」