第13章 妖精の見せる夢の意味
セリシアside
「…だから、私はあそこで、シロナに力をあげようとした。ううん、あげた。」
だから魔力切れも起こしたのだ。
「ええと、セリシア。力をあげたって言いましたけど…一体どうやって?本人もいないのに…。」
戸惑いがちにジャーファルが聞いてくる。
ああ、そっか。
そりゃそうだ、わかるわけないか。
「シロナと私の間には、他の誰ともない特別な関係が成り立ってるんだ。いうなら主従関係…かな?」
私達の関係を正しく言い表せるとは思えないけど、主従関係はあながち間違いじゃない。
だって私は勝手にシロナの力を使うことができるから。
…しないけどね?
「どんな距離でも繋がることはできる。だから夢にでてくることもできるし、力をあげたりもらったりできる。」
あげたことももらったこともないけど、やり方は自然とわかった。
ただ意識を集中させて、魔力を思いに少し絡める…そんな感じ。
空に手を出して飛ばそうとすれば勝手に吸われていくように力は抜けて行った。
「驚くくらいすぐに抜けたんだ。だから全然足りてないって思った。必死で、あげては少し休んで思いも力も回復させてって繰り返した。」
それしか、私にできることはなかった。