第13章 妖精の見せる夢の意味
セリシアSIDE
「・・・なのに・・・さ。」
今日の夢は・・・いつもと違った。
思い出すだけで、悲しくなる、怖くなる。
そんな夢だった。
「今日は・・・全然違って」
パニックを起こしそうになる。
それをどうにか落ちつけようと、深呼吸をする。
今慌てたって意味ないんだから。
だから・・・。
「落ち着いて、セリシア。つらいなら言わなくていいですから。」
それでも苦しくなって、呼吸がおかしくなった。
それに気づいたのか、ジャーファルが私の背を撫でた。
・・・だめ、ここで逃げるべきじゃない。
私は逃げちゃだめでしょ。
私が逃げたら、誰が話せる。
二人の危機を救えるのも知らせれるのも、今は私だけでしょ・・・??
「・・・ふぅ・・・。ありがと、ジャーファル。」
「いえ、いいんですけど・・・。大丈夫ですか?」
「うん。ちゃんと話す。」
なんとか落ちつけた・・・というか、呼吸を通常道理にできた。
「今日は、雪はあった。でもね、雪の質感はまるで違った。軽くて、すぐに溶けるような雪で・・・。」
雪独特の重さなんてどこにもなかった。
「私の周りだけにしか雪はなくて、その雪もどんどん解けていった。なんていうか・・・消えて行った。」