第13章 妖精の見せる夢の意味
セリシアside
「旅の準備は手伝ってくれたし、旅に関してのアドバイスもしてくれた。だから、心配してるってことはよくわかってた。だからあんまり無理も言えなかった。」
不機嫌だった私にゴメンっていって、苦しそうな顔をしてた。
だから何にも言えなくなった。
もういいよって言っても、時々ゴメンっていって。
「妖精であるシロナはデアルに憑いてた…というか憑かされてたから、2人は一緒に旅することになって。それで、私は1人で2人とは違う方向に旅にでた。」
男装してた方が人身売買…つまり奴隷商人に捕まりにくいはずだっていわれて、男装してたっけ。
なかなか完成度の高い男装だったはず。
一度も見破られたことなんてなかったもん。
「旅は楽しかったよ?強くなれたのもそのおかげだから。寂しかったこともあったけど、割とすぐに慣れたし。」
どうしようもないことなんだから、割り切るしかなかったし。
それに、旅の途中で友達もちょっとできたし。
「それに、不定期だったんだけど…シロナがね、夢を見せてくれたんだ。」
「夢?」
「うん。妖精であるシロナだから見せられる夢。私が巫女だから見れる夢。…2つの条件が揃ったから見れる夢なの。」