第12章 嫌な予感
セリシアSIDE
「落ち着いて!!セリシア!!」
ベッドから降りようとしても、ジャーファルに押さえつけられる。
「放してって!!」
「ダメです!!安静にしなさい!!」
「嫌!!」
「セリシア!今動いたらだめだよ!!」
「セリシア、まだ起きたばかりでしょう!?許さないわよ!」
ジャーファルだけじゃない。
ヤム姉、ピス姉にも押さえつけられる。
でも、それでもあきらめられるわけがない。
暴れた。
それしかできなかったけど、必死だった。
「セリシア、ごめんね!!!」
ヤム姉の叫びと共に体が動かなくなる。
本当に、ピクリとも動かない。
・・・やられた。
それに気づいたのは、一瞬後のことだった。
「・・・ヤム姉、恨むよ・・・。」
魔法だ。
金縛り同然に、魔法を使われた。
魔法を使いたいところだけど、こんなところで無駄に使う気にはならなかった。
それにまだまだヤム姉に勝てるような魔法でもないから。
「はぁ、はぁ・・・。どーしたの、セリシア。」
息を切らしながら、ピス姉は言う。
ジャーファルさんも私もヤム姉も、みんな息を切らす羽目になった。