第12章 嫌な予感
セリシアSIDE
気が付けばそこは部屋で。
けだるいしあんまり動きたくないと最初に思った。
でも焦った顔のジャーファルを見て、自分が心配かけたことを知って。
だからこれ以上心配はかけられないと思って体を起こす。
ヤム姉の質問にはそのまま答えたと思うけど、正直上の空といえる感じだった。
何故この部屋にいてみんなが心配していた顔をしていたのかを考え、そもそも自分は何をしていたのかを思い出そうと考えて。
そして思い出した。
「行かないと・・・」
ここで休んでるわけにはいかない。
こうしている間にも、すべてが終わってしまう。
「シロナが・・・消えちゃう・・・」
妖精とはいえ、シロナは不死身じゃない。
人間と同じように、力を使い切ってしまえば死ぬはずだ。
そしてその状況というのは、デアルが死にかけるときだ・・・。
デアルが死にかけた時、助けるためにシロナは力を使うだろう。
主従関係でもある以上、絶対にやすやすとしなせるとは思えない。
けれど、シロナが力を使い切ったからと言ってデアルが助かる保証があるわけでもない。
最悪・・・二人ともいなくなってしまう。
「嫌・・・嫌だ!!」
そんなの認めない。
大切な二人を、失いたくなんかない。