第12章 嫌な予感
ジャーファルSIDE
「ん・・・。」
3人で話していた中、小さな声が聞こえて振り向く。
「・・・ファル・・・?」
「セリシア?」
起きたのだ、セリシアが。
思ったよりは早い目覚めですね。
ゆっくりと目を開け、身体も起こす。
「あ、無理はしないで・・・。」
そう言うが彼女はぼーっとした顔をこっちに向けるだけだ。
「セリシア?ここがどこかわかる?」
ヤムライハが優しく問う。
目線を彼女に合わせて。
「・・・。」
彼女はゆっくりと部屋を見渡す。
それからもう一度編むライハを見た。
「・・・王宮の部屋・・・?」
よかった、意識はしっかりしているようだ。
「大丈夫?体どこか痛くない?」
「・・・痛くは、ない・・・。」
ゆっくりと彼女はそう答える。
そして、一言。
「・・・行かないと・・・。」
「どこへ?」
一体そんな病み上がりの身体でどこへ向かうというのだ。
部屋で絶対安静というべきなのに。
「シロナが・・・消えちゃう・・・。」
セリシアの顔に焦りの表情がでる。
「嫌・・・嫌だ!!」
ベッドをでようとするセリシアを無理やり抑える。
一体なんだというのです!?
「セリシア!!落ち着いて!!」