第12章 嫌な予感
ジャーファルSIDE
「セリシア・・・!」
安らかに眠っているように見えるセリシア。
呼吸も安定しているし、問題はなさそうでなによりですね。
「それにしてもよかったです。あと一時間もおそく見つけていたら危なかったですから・・・。」
ヤムライハはそう言う。
セリシアを探しておいてよかった。
嫌な予感は当たってしまったけれど、最悪の事態は免れたようですし。
「しかし・・・どうしてセリシアは海の近くにまで行ったのでしょうか?」
どうしてもわからない。
それに魔力切れになる理由も。
何度考えても、近いと思えるものは出てこなかった。
「うーん。あの場所って、セリシアにとって何か想い出のある場所だっけ??」
「ジャーファルさん、何か知っていますか?」
二人にそう聞かれる。
でもこれと言ってここに思いではないはず・・・。
「あ、そういえばデアルさんと初めて会ったのはあの場所でしたね。」
セリシアの兄であるデアルさんが海を凍らせて海賊を捕まえた場所でもある。
・・・だが、それ以外に何かあっただろうか?
デアルさんはもう一国の王である。
そう簡単にこの国に来れるわけがない。
・・・だとすると、いったい・・・?