第12章 嫌な予感
ジャーファルSIDE
「そうですか・・・。ありがとうございます、ピスティ。」
これ以上のことはセリシア本人にきくしかない。
何故そこに行ったのか、どうして魔力切れになっているのか。
しかも、どうして昨日まではなんのそぶりも見せていなかったのにこうも突然なのか。
まさか、隠していたのか??
でも、だとしたら・・・どうして私になんの相談もしなかったのでしょうか?
「・・・ジャーファルさん、ピスティ。」
部屋のドアが開き、ヤムライハが出てくる。
「魔力はそれなりに回復させました。今は眠っていますが、しばらくすれば起きると思います。」
よかった、と私とピスティの二人で安堵の息を漏らす。
早く目覚めてほしいところだが、疲れているはずだ。
魔力を切らしたのなら、すぐに元気に、とはいかないはずだから。
「今回は魔力もちゃんと受け付けてくれましたから、少し安心です。」
「そうですか・・・。ありがとうございます、ヤムライハ。」
「そんなこと。セリシアのためですから。それより、ここで話すのもなんですし、中に入りませんか?」
ヤムライハと言葉を交わすうちに、何人かの魔導師が外に出てくる。
既に部屋には寝ているセリシアただ一人だった。