第12章 嫌な予感
ジャーファルSIDE
「あ、いえ・・・それは大丈夫です。」
よかった・・・。
ただただ安心した。
この前のようになったら、大変だった。
もう一度髪を切って魔力を戻せるかはわからないから。
「わかりました。どちらで治療を?」
女中に場所を聞きそこに向かう。
少しでも冷静に。
私が乱しては、他の者に影響を与えてしまうことは十分に理解していた。
だから走って向かわず、少し早くはあったが歩いて向かった。
・・・それにしても、だ。
「どうして魔力切れに・・・。」
しかもピスティが見つけたということは、町にいたということ。
町で魔力切れになることなんてあるものか?
魔力切れになるのなら、魔法を使うはず。
だが魔法特有の光はみていないし、何の報告もなかったはずだ。
一体どうして、どこで、彼女は魔法を使ったのだろう。
「ジャーファルさん!!」
悩みながらも部屋へ向かったところ、ピスティに声をかけられた。
「ピスティ・・・。見つけてくれたようですね。ありがとうございました。」
「あ、うん・・・。それはいいんだけど、大丈夫かな・・・。」
「そうですね・・・ですがうちの魔法使いはみな優秀ですから。信じましょう。」
そう言うしかできなかった。