第12章 嫌な予感
ジャーファルSIDE
二人と別れた後、一度シンのもとへ戻る。
サボっていたが部屋にはいたし、今は叱っている気分ではない。
ただセリシアがどこにもいないことを伝え、探すことを伝えた。
シンも探すと言ったが、彼には仕事をしてもらうことにした。
セリシアは心配だが、仕事をおろそかにするわけにはいかないし、シンの仕事はたまっているから。
「セリシア・・・。どこにいったのです?」
とはいえどこにもいない。
もうすぐ二人が町に行って40分が経つだろう。
それでも見つからなければ、どうしようか・・・。
王宮内では探し切ってしまい、行ける当てがなくなった。
そして考えていた時だった。
「ジャーファル様!」
「はい、なんでしょう?」
後ろから声をかけられる。
声をかけたのは女中の一人で、真剣な顔をしていることから何かあったのだとわかる。
「セリシアさまが・・・!!」
「セリシア!?見つかったのですか!?」
ようやく見つかった。
一体どこに?
「ピスティ様がお連れになられたのですが、魔力がほとんど切れていて只今治療中です!」
・・・魔力切れ?
「あの、まさか・・・魔力を受け付けていないなんてことは・・・。」
この前魔力が切れた時の彼女はそうだった。
魔力を受け付けなくて、巫女の特性というものに頼ったのだから。