第12章 嫌な予感
ジャーファルSIDE
「セリシア。起きていますか?」
部屋につき、ドアをノックして呼びかける。
だが反応は返ってこなかった。
「セリシア?入りますよ?」
それでも何の返事もない。
それどころか物音一つしない。
・・・気配もない?
「失礼します。」
ドアを開けて部屋に入る。
しかし部屋にも、もちろんベッドの中にも彼女の姿は見つからなかった。
「・・・ヤムライハのところ・・・でしょうか?」
それならいいのだが・・・。
・・・靴?
普段彼女が履いている靴がベッドのすぐそばにあった。
それ以外の靴を履いたのか?
そう思って勝手ではあったが他の靴が入れてある靴箱を見る。
だがすべてそろっていた。
「裸足・・・?」
おかしなことはもう一つあった。
ベッドの中に隠れているとは思わなかったが、一応布団をめくる。
・・・だが、ベッドからも布団からも何の温かさもなかった。
普通人が抜けてから熱はすぐに冷めないはずだ。
少なくとも1時間は前にベッドを出たことになる。
もしかするとそれ以上前に。
「セリシア・・・。」
どこへ行ったのか?
ヤムライハかピスティのもとにいると信じ、その場を離れるのだった。