第8章 お仕事であって初デートです。
セリシアside
「セリシア…大丈夫ですか?」
店を出てしばらくつったっていると、ジャーファルさんが声をかけてくれた。
「ん、大丈夫。」
そりゃ驚いたし焦った。
だけど、私の中ではすんなり理解できた。
「多分だけど…あの占い師、ママの知り合いだよ。」
「知り合い?」
「うん。ルナってママの名前だし、前にデアルが会ってたのはあの人。」
前にあいつの部屋に行った時いなかったのは私にあの人と会ってることを隠すため。
ママの関係する人の話、しないようにしてたんだろう。
何よりあの人の持つ気…。
「少しだけど、同じ感じがしたの。あの人の気、私達命の民と。」
「命の民は確か、ルナさんの属していた民族ですよね?解散していたときいてますが。」
「うん、そう言った。ま、民は無くなっても人の持つ気はなかなか変わらないよ。」
もちろん例外もあるけど。
「へえ…。…まあなんにせよ、思ったより落ち込んでなくてよかったです。」
ふんわり柔らかく微笑む彼。
つられて私も微笑む。
「ママを信じてあげないと。それに、時期が来るまでは…ジャーファルさんといれるってことよね?」