第8章 お仕事であって初デートです。
ジャーファルSIDE
「セリシア、先に外にでてな・・・。お代払ったらすぐに行く。外の空気を吸った方がいいよ。」
暗めのこの場所では顔色までは見えない。
だけど、どう考えても元気な状態じゃない。
「御嬢さん、最後に一つだけ。・・・これは占い師としてとは関係のないものじゃ。」
占い師の声に彼女は止まる。
「ルナがきっといい方に向かいやすくしてくれるよ。」
・・・え?
「・・・もう一回、言ってもらえますか。」
こっちを振り向いて、セリシアは言う。
「聞こえなかったわけではなかろう。二度とは言わぬ。」
今、確かルナって言ったよな。
確かそれってセリシアの母親の名前だったはず。
一体、どういうことなのだろう。
「さあ、占いは終わったのじゃ、帰りなさい。」
「・・・。」
セリシアは一応すぐに店を出た。
さて、私もお代をさっさと払いますか。
お代を払ってその店を出ようとしたときだった。
占い師の声が、私を呼びとめた。