第8章 お仕事であって初デートです。
セリシアSIDE
占い師の動きが止まる。
・・・いい予感なんてしないよ?
「・・・いい方と悪い方、どっちを先に聞きたい?」
「はい?」
占いにいい方と悪い方なんてあるの?
「どうします、セリシア?私はどちらからでもいいですが。」
「あ、じゃぁ・・・いい方から。」
いや、まあ本当どっちでもいいんだけどさ。
結局変わりないんだし。
「うむ。・・・お主ら二人の相性の話じゃよ。」
「相性、ですか。」
「そうじゃ。驚くほど相性はバッチリじゃ。久しぶりにここまでいい奴らを見た気がする。よかったな、若いの二人。」
相性、なんて気にしたことなかったけど。
良いに越したことはないよね?
「ひょっとすると、国一番の幸せ者になれるかもしれないぞ。」
「そんな大げさな・・・。」
「いやいや、本当じゃ。・・・だが、ある意味危険な賭けを失敗すれば・・・国一番の不幸な恋愛になるじゃろうがな。」
「え。」
「それが、悪いことじゃ・・・。ちと詳しく話そうか。」