第8章 お仕事であって初デートです。
セリシアside
「遅くなっちゃった、かな?」
あのあと時間と場所を決め、今になる。
「いえ、大丈夫です。」
あいかわらずの服装のジャーファル。
私服一枚も持ってないって言ってたっけ。
「それより、さそった私も私ですけど、初デートがこんなん仕事でよかったのですか?」
そう。
本当の目的はデートじゃなくて仕事なんです。
町の様子をみること、最近増えた難民の様子をみること。
別に私たちじゃなくても良さそうだけど、シンドバッドさんがかってにそう決めたらしい。
デートなんてしたことないし、そもそもカレカノらしいところがないからか、たぶんきをきかせてくれたんだと思う。
「いいです。だってこの機会逃したらできなさそうだし。」
「そっか・・・。」
それに、一応副政務官なんでね。
「じゃ、いこっか!」
「ええ。っと、そうだ、セリシア。」
「んー?」
すでにちょっと歩き始めてたけど、振り向く。
「その服、似合ってます。」
「っ!!」
その笑顔反則ー!!