第6章 迷いと決意
セリシアSIDE
「セリシア。・・・あなたにとって、シンドリアってなんですか?」
「・・・急だね。やっぱ何かあったでしょ。」
こっちを見ようともせず、景色を見ながら聞いてきた。
質問自体急だったけど、内容はもっと急だ。
「そう・・・だね。シンドリア、か・・・?考えたことなかったや。」
考えたこともないし、なかなか重い内容だなって思う。
シンドリア・・・ね・・・。
「・・・私にとってのシンドリアは・・・。私に居場所を与えてくれた国、かな・・・?」
「疑問形?」
「えへ。だって、そういうと、実際に居場所を与えてくれたのは国王のシンドバッドさんかなあって。」
「ああ、なるほど。」
「だから、そだな・・・。んー・・・。第二の故郷、とか?」
その言い方が一番しっくり来る気がした。
「キユノ以外に定住した国だし、食客にもなった国だし。」
「・・・そうですか。」
ジャーファル、いったい何を考えているんだろう。
何があったんだろ。