第61章 目覚めた先に
モブリット………?
あれ、範司は火口君のことを
そう呼んでたっけ。
「凛。本当に良かった。
君は丸三日間も眠り続けていたんだよ。」
範司に優しい手付きで頭を撫でられながら、
衝撃的な事実を聞かされる。
私が三日間も眠り続けていた……?
特に大きな病気もしたことのない私が、
突然体調を崩したということなのか?
かなり考えにくいことだけど、
確かに今、すごく身体が怠い。
範司に視線を向けると、
やっぱりどこか違和感があり、
それが何なのか考えながら目を凝らす。
「状況説明は、エルヴィンとリヴァイに頼むけど
今の段階で気になることはある?」
「……範司、メガネ替えた……?」
唯一変わったと思われる外見を指摘してみると、
範司は顔を綻ばせた。