第60章 鼓動が重なる感覚は
「凛。早くこっちに来い。」
リヴァイの優しい呼びかけに頷くと、
エルヴィンに手を引かれるがまま、
布団の真ん中に寝転がる。
「……さすがに三人でやろうなんて気は
起こさないから、安心して休んでくれ。」
冗談めかしてそう言ったエルヴィンは
電気を消し、
凛の右隣へ寝転がると、
凛にタオルケットを掛けた。
「前にもこうして
三人で寝たことがあったな……」
リヴァイは仰向けになったまま
横目で凛に視線を送る。
「……ああ。
二人に相当からかわれた時のことか。」
私が酔っ払って、二人の間で眠りについた時、
起きて早々、三人で情事を
楽しんだような言い回しをされて
とんでもなく焦った記憶が呼び起こされる。
「……まだあの時から
ひと月ほどしか経っていないのに、
何だか懐かしい思い出のように感じるな。」
エルヴィンはそう言って小さく笑った。