第60章 鼓動が重なる感覚は
「今日がお前と過ごす
最後の夜になるかも知れねぇのに、
別々の場所で寝るなんて選択はしないだろ?」
リヴァイに食い入るような視線で
瞳を見つめられ、反射的に見つめ返すと、
ゆっくり立ち上がったエルヴィンに
手を握られた。
「俺もリヴァイも、君と離れるのが淋しいんだ。
これが俺たちの最後の我が侭だと思って、
今日はこの部屋で休んでくれないか?」
“最後の我が侭”
その言葉を聞いて、急激に目頭が熱くなる。
これが本当に二人と過ごす
最後の夜になるかもしれない。
それを実感すると、
どうしても堪えきれない思いが込み上げて、
涙腺に溜まったものを呑みこむように、
目を閉じた。