第60章 鼓動が重なる感覚は
「……そうだね。
二人と一緒に居た時間は
あっという間だったけど、
ずっと一緒に居たような感覚もする。
なんか不思議な感じ。」
ゆっくり目を瞑ると、自分の鼓動が
穏やかに刻まれているのが感じ取れ、
強い安心感に包まれていることが分かる。
二人も私と一緒に居る時、
こんな安心感を覚えてくれていたらいいな……
そう思った時、
右手をエルヴィンに、左手をリヴァイに
同じようなタイミングで握られ、
そっと目を開けた。
「何もしない代わりに、
これくらいしてもいいだろ。」
そう言ったリヴァイは既に目を瞑っている。
「……今日はぐっすり眠れそうだ。」
「お前はこの世界に来てから、
いつもぐっすり眠っているだろうが。」
リヴァイが目を瞑ったのを確認した後、
瞼を閉じたエルヴィンは
リヴァイにすかさずつっこまれて、
小さく息を漏らした。