第60章 鼓動が重なる感覚は
顎元に手を添え、
遠くを見つめていたエルヴィンは
リヴァイの呼びかけを受けて
視線をこちらに戻す。
「少し腑に落ちないことがあるんだ。」
「……なに?」
どこか納得いかないような表情を
浮かべるエルヴィンに問いかける。
「……いや、それは明日の夜、
元の世界へ戻れなかった場合に
考えればいいことだろう。」
「なんだ、勿体ぶりやがって。」
「まだ仮説の段階だからな。
実証されてから考えても遅くはない。」
苛立っているようなリヴァイをなだめる様に
エルヴィンはリヴァイの肩を叩いた。