第59章 夜空に咲く、大輪の花
「とても美しいな。
夜空に大輪の花が咲いているみたいだ。」
エルヴィンの例えは、相変わらず凄く綺麗だ。
視線を空へ戻すと、
夜空は花火の明かりで美しく染め上げられ、
エルヴィンの言う通り、
大輪の花が夜空を鮮やかに
彩っているようだった。
「……確かに。賭けは俺の負けだな。」
小さく呟いたリヴァイは
空から視線を逸らすことなく、頬を緩める。
「良かった。
これで対等な立場に立てた。」
凛がリヴァイにニヤリと笑いかけると、
「不本意だが、これは感動しない方が無理だ。」
リヴァイはそう言って
凛の右手を握った。
「……そうだな。」
それだけ言ったエルヴィンは
凛の左手を握ると、
穏やかな表情で次々と打ち上がる花火を
見つめ続けた。