第59章 夜空に咲く、大輪の花
「リヴァイ。
取り敢えず、あれ狙ってみてくれる?」
少し奥の方にある、タオルで作られた
ショートケーキを指さす。
「あ?あれはタオルじゃねぇだろ。」
「いや、あれもタオルなんだよ。
タオルケーキって言って、
タオルをケーキに見立てて作られてるの。」
眉間に皺を寄せるリヴァイに
説明すると、リヴァイはなんとも
納得いかないような顔をしながら輪を投げた。
そして、
綺麗な放物線を描いて飛んだ輪は、
見事タオルケーキを捉えた。
「リヴァイ、すごい!一発で取れた!」
ハイタッチしようとリヴァイに手を向けると、
控えめに手と手が合わさる。
「これはそんなに難しいもんでもねぇな……」
呟くように言ったリヴァイを
店のおじさんは項垂れた様子で見ていた。