第59章 夜空に咲く、大輪の花
おじさんから景品のタオルケーキを受け取り、
「ちょっとエルヴィンのところ行ってくる。
残りの輪投げしてて。」
と、リヴァイに声を掛けてその場を離れる。
元いた場所に戻ると、
街路樹にもたれかかって待っていたエルヴィンは
思った通り、周囲から熱い視線を浴びていた。
比較的人が少ない位置で
待ってもらっていた筈なのに、
例によって周りは賑わい始めている。
「エルヴィン、お待たせ。
……大丈夫だった?」
エルヴィンに駆け寄り、
タオルを渡しながら少し小声で問いかけると
優しい表情で頭を撫でられる。
「凛。
いつも余計な心配をさせてすまない。
大丈夫だ。」
エルヴィンは少し笑って、周囲に目を向けた。