第9章 ルール
「俺は彼女に手を出すつもりはない。」
「俺より性欲の強いお前がか?
そんなに我慢強い奴だとは
思ってなかったよ。」
リヴァイの呆れたような声が、廊下まで響く。
「彼女は俺たちを助けてくれた子だぞ?
そんな勝手な真似はできない。」
「ほう。なら俺が手を出す。」
「待て。お前、自分が何を言ってるのか
分かってるのか?」
少し焦ったようなエルヴィンの声と同時に、
衣擦れの音がした。
「……エルヴィン。
何をそんなにムキになってんだよ。
あいつを満足させる自信がないのか?」
「そういうことを言ってるんじゃない。」
「少なくとも俺は、
お互い満足できると思ってる。
同意の上なら、問題ないだろ?」