第9章 ルール
「……同意の上?
同意させられると思ってるのか?」
エルヴィンの声色は、
どんどん黒くなっていく。
怒りの表れか、戸惑いの表れか、
それがどんな感情を表すのかは分からないが
自分に向けられたことのない声なのは
確かだった。
「ああ。同意させられると思ってる。
今までもそうしてきた。
お前だってそうだろ?
自分の思うままに女を誘い、
その気にさせ、抱いてきた。
その繰り返ししかしてねぇだろ?」
「……リヴァイ。
それは俺たちのいた世界でしてきたことだ。
まだ何も分かっていないこの世界で、
そんな奔放な行動は」
エルヴィンがそこまで言った時、
いきなり部屋のふすまが開き、
勢いよくふすまを開けたリヴァイと目が合った。