第9章 ルール
“掃いて捨てるほど女を抱いてきた”?
確かに女性慣れしていると思う場面は
多々あったが、
そんな言われようをする程だとは
微塵も思っていなかった。
エルヴィンの紳士さは、
見せかけだったのか?
「……溜まるだろ?俺も同じだ。
戦いの前でもないのに、
やけに興奮状態が続いてる。
環境の変化のせいかも知れねぇな。
お前はそれを解消したいとは
思わねぇのか?」
……だからリヴァイは
脱衣所であんな風に迫って来たのか……
殆ど初対面の女相手に
簡単に欲情できるという事は、
相当溜まっているんだろう。
それならこれから先、
また誘われることがあってもおかしくない。
私はそれを拒否できるのだろうか……
不意に、脱衣所で見た
リヴァイの逞しい身体が、頭を過る。
あの身体に抱かれることを思い浮かべると、
僅かに下半身が反応して、
自分の欲求不満具合が明らかになり、
再び小さくため息が漏れた。