第58章 浴衣の効果
その時、
「クソメガネ。
凛に興味がねぇ訳じゃなかったのか?」
ドスの利いたリヴァイの声が、
開け放たれたふすま付近から聞こえ
咄嗟に範司から離れた。
「リヴァイ……
今、すごくいいところだったのに。」
「ふざけるな。
勝手に手ぇ出してんじゃねぇよ。」
「そうは言っても、
まだ凛は誰のものでもないんだから
私が手を出しても問題ないよね?」
明らかに不機嫌なリヴァイを横目に、
範司に肩を抱かれて、再び脳内が混乱し始める。
範司の行動の意味を探ろうと思い立つが
いくら考えても私の軽い脳味噌じゃ、
確かな答えは出そうにない。
「リヴァイ。範司も淋しいんだろう。」
直後、リヴァイの後ろから
顔を出したのはエルヴィンだった。